VERSANT Part Fは文章ルールで攻略できる!“7つのルール”と練習法

Part Fは、「何を言うか(意見)」以上に、40秒の中で“伝わる形”に整えて話すのが難しいパートです。

内容自体はシンプルでも、結論→理由→具体例→再主張までを時間内に組み立てられないと、話が散らかったり、途中で詰まったりしてしまいます。

よく使われるPREP法(Point→Reason→Example→Point)は、意見を論理的に伝えるために重要なフレームワークです。ただ、PREP法を知っていてもスコアが伸びない人には共通点があります。

多くの場合、共通点は次の3つです。①文が長い、②表現が抽象的、③情報の置き方がバラバラ。この3つが重なると、40秒の中で主張がぼやけ、説得力も落ちます。

そこで本記事では、英語の文章を「短く・明確に・読みやすく(=聞き取りやすく)」整える文章術として、VERSANT満点講師も推奨する『The Elements of Style: For Japanese Writers of English』のルールを、VERSANT Part F向けにわかりやすく解説します。

この本は、日本人がやりがちな“回りくどさ”や“情報の散り方”をピンポイントで直す視点が多く、短時間で自分の意見を回答しなければならないPart Fと相性がいいのが特徴です。

さらに、実際の設問を使って、PREP法+文章ルールで回答がどう変わるのかを例題で実演します。ぜひ最後までご覧ください。

目次

VERSANT Part Fとは?

Part Fは、設問に対して自分の意見や考えを述べる問題です。

「正解を当てる」タイプではなく、限られた時間の中で 意見→根拠→(できれば具体例)→結論 までを、わかりやすく話せるかが問われます。

設問は「AとB、どちらが重要?」「賛成?反対?理由は?」のように、意見+理由提示を求める形式が中心です。

出題形式

  • 問題数:2問
  • 音声再生:1回のみ
  • 回答時間:1問あたり40秒以内
  • 評価スキル:スピーキング・話法能力(言葉の使い方、話の内容)

Part Fについて詳しく知りたい方は下記の記事もご覧ください。

評価される観点

Part Fの評価ポイントは「内容の適切さ/文法と語彙/発音/流暢さ」の4つです。

1. 内容の適切さ

評価内容

  • 質問に的確に答えているか
  • 理由や詳細を含めて説明できているか
  • 意見を裏付ける具体例や展開が含まれているか

2. 文法と語彙の正確さ

評価内容

  • 文法の誤りが少なく、正しい構文で答えているか
  • 多様な語彙を使っているか
  • 同じ言葉を繰り返さず、適切に言い換えができているか

3. 発音と聞き取りやすさ

評価内容

  • 子音・母音の発音が適切か
  • アクセントやイントネーションが自然か
  • 聞き手にとって分かりやすいか

4. 流暢さ

評価内容

  • 40秒間途切れずに話せるか
  • 不自然な沈黙や繰り返しが少ないか
  • 話の流れがスムーズか

本記事では、「1. 内容の適切さ」「2. 文法と語彙の正確さ」に関することを紹介します。

VERSANTについて詳しく知りたい方は下記の記事もご覧ください。

結論|Part Fは「PREP+文章ルール」で伸びる

Part Fで安定してスコアを伸ばすコツは、PREP法で骨組みを作り、文章ルールで“伝わる英語”に整えることです。

PREP法は「何を、どの順番で話すか」を決める重要なフレームワークです。

ただ、PREP法だけだと40秒の中で主張がぼやける/言い切れず終わることがあります。

そこで、文を 短く・明確に・聞き取りやすく する“文章ルール”を組み合わせると、同じPREP法でも完成度が一段上がります。

PREPだけでスコアが伸びない3つの特徴

PREPを意識しているのにスコアが伸びない人は、だいたい次のどれかに当てはまります。

  • R/Eのバランスが悪い
    PREPの順番で話していても、理由(R)が抽象的すぎたり、具体例(E)が長くなりすぎたりすると、聞き手の頭の中では「主張」よりも「説明」が前に出てしまいます。その結果、結論(P)は言っているのに、“最も伝えたいこと”が伝わりにくくなります。
  • 文が長い
    1文に情報を詰め込みすぎて、途中で息切れ・言い直しが増えます。40秒の中で話せる量が減り、説得力も落ちます。
  • 最後が弱い
    具体例の途中で時間切れになったり、締めが曖昧になったりして、主張が印象に残りません。

この3つは、英語力そのものというより 「言い方の設計(文章の整え方)」 で改善できる部分です。

高評価の型

40秒で最も安定して“伝わる”構成は、次のバランスです。

結論 → 理由2つ → 具体例1つ → 再主張

  • 結論で方向性を先に固定する
  • 理由は2つまでに絞り、形を揃えて述べる
  • 具体例は1つで十分(細かくしすぎない)
  • 最後は 「だから私はこう思う」 と言い切って終える

この型に、この記事で紹介する文章ルールを当てはめることで、Part Fの回答は一気に安定します。

40秒で使えるPREP法テンプレート

Part Fは、40秒の中で「順番」と「短さ」が命です。

迷ったらまずはこのテンプレを丸暗記して、中身だけ差し替えて回答してみてください。

テンプレA(最短・安定)

結論→理由2つ→具体例→再主張の基本的なテンプレートです。

  • P: I think A.
    (私はAだと思います)
  • R: First, 理由1. Second, 理由2.
    (まず理由1。次に理由2)
  • E: For example, 具体例.
    (例えば、具体例)
  • P: So, 結論の言い切り.
    (だから、私はこう思います/結論です)

使える定番フレーズ

  • 理由:First,(まず) / Second,(次に) / Also,(さらに)
  • 具体例:For example,(例えば) / For instance,(たとえば)
  • 再主張:So,(だから) / That’s why(それが理由で) / In the end,(結局)

テンプレB(反対意見を一瞬だけ出す)

「反対側にも触れてから自分の立場を出す」と説得力が上がります。
ただし 反対意見は1文だけに抑えるのがコツです。

  • P: Some people think B, but I believe A.
    (Bだと思う人もいますが、私はAだと思います)
  • R: First, 理由1. Second, 理由2.
    (まず理由1。次に理由2)
  • E: For example, 具体例.
    (例えば、具体例)
  • P: So, A is more important.
    (だから、Aのほうが重要です)

ポイント

  • 反対意見は長く語らない(Some people think… で止める)
    (反対側の説明を始めると時間が足りなくなります)
  • but の後で自分の結論を明確にする
    (「ここからが本題」と相手に伝える)

テンプレC(具体例が浮かばない時の“仮想例”)

自分の体験がなくても問題ありません。

「もし〜なら」の仮想例で十分説得力が出ます。

  • P: I think A.
    (私はAだと思います)
  • R: First, 理由1. Second, 理由2.
    (まず理由1。次に理由2)
  • E: For example, if someone 仮定の状況, they can 結果.
    (例えば、もし〜なら、〜できる/〜という結果になる)
  • P: So, 結論の言い切り.
    (だから、結論はこうです)

仮想例の作り方

  • If a student …(もし学生が〜なら)
  • If a worker …(もし社会人が〜なら)
  • If a team …(もしチームが〜なら)
  • If a company …(もし会社が〜なら)

例文

  • If a student practices for 20 minutes a day, they improve quickly.
    (もし学生が毎日20分練習したら、すぐ上達します)
  • If a worker keeps learning, they get more opportunities.
    (もし社会人が学び続けたら、チャンスが増えます)

PREPを「高得点の英語」に変える5つのチェック

テンプレを覚えただけだと、正直スコアは頭打ちになりやすいです。

伸びる人は、PREP法の中身を “伝わる英語”に整える習慣を持っています。

ここでは、回答を一気に改善するための5つのチェックリストを紹介します。

チェック1:ムダ語を削れているか

40秒という制限時間のある問題では「上手い英語」より「短くて明確な英語」の方が重要です。


特に 回りくどい前置き(=なくても意味が変わらない語) は削りましょう。

例:I think that… / the fact that… / in my opinion…
(「〜と思うのですが」「〜という事実が」「私の意見では」など、前置きが長い)

良い例

I think hard work matters more than talent.
日本語訳:努力は才能より重要だと思います。

悪い例

In my opinion, I think that hard work is…
日本語訳:私の意見では、努力は…だと思います。(前置きが長く回りくどい)

ポイント:
「意見」は I think だけで十分で、二重に言わないようにしましょう。

チェック2:語順がスッと入るか(主語と動詞が近いか)

主語と動詞の間に説明を挟むと、一気に聞き取りづらくなります。
迷ったら 主語→動詞→目的語(SVO) を崩さないのが安全です。

良い例

Hard work helps people achieve difficult goals.
日本語訳:努力は、人が難しい目標を達成する助けになります。

悪い例

Hard work, in many situations and for many people, helps…
日本語訳:努力は、多くの状況で多くの人にとって、(〜を)助けます…(主語と動詞の間が長く聞き取りづらい)

ポイント:
「誰が・何をする」 を早く言うようにしましょう。

チェック3:具体語になっているか

抽象語だけだと内容が薄くなってしまいます。
名詞を 具体化するだけ で、説得力が一気に上がります。

良い例

get a promotion / pass an exam / improve speaking
日本語訳:昇進する/試験に合格する/スピーキングを伸ばす

悪い例

be successful / do better / become good
日本語訳:成功する/もっと良くなる/上手くなる(抽象的で伝わりにくい)

ポイント
「成功」ではなく 何に成功? を伝えましょう(昇進・合格・売上・成績など)。

チェック4:理由2つの形が揃っているか(並列)

理由が2つある場合、文の形も揃えましょう。
これだけで論理が整って聞こえます(=聞き手が理解しやすい)。

良い例

First, it builds skills. Second, it builds confidence.
日本語訳:1つ目に、スキルが身につきます。2つ目に、自信がつきます。

悪い例

First, it builds skills. Second, confidence is built…
日本語訳:1つ目に、スキルが身につきます。2つ目に、自信が築かれます…(形がズレて不自然)

ポイント:
理由1と理由2は 同じ型で並べましょう。

チェック5:最後強く主張して終わっているか(言い切り)

最後は断言で締めるのがコツです。 

maybe や I guess は、必要なとき以外は控えるようにしましょう。

良い例

So, hard work decides the result.
日本語訳:だから、結果を決めるのは努力です。

悪い例

So, that’s what I think. / Maybe hard work is important.
日本語訳:だから、私はそう思います。/たぶん努力は大切です。(締めが弱い)

ポイント:
最後は「私はそう思う」ではなく、主張そのものをもう一度言い切って終わりましょう。

この「テンプレ+5チェック」をセットにすると、回答が毎回安定し、スコアが伸びやすくなります。

次の章では、これらのチェックをさらに深掘りし、Part F向けに “崩れない英語”を作る文章ルール を具体例つきで解説します。

PREPを“高得点の英語”に変える文章ルール7選

ここからが、Part Fでスコアを一段上げるための“差別化ポイント”です。


PREP法はあくまで骨組みにすぎません。同じPREP法でも、高得点者の回答は 1文1文が短く、誤解がなく、聞き取りやすい順番 で組み立てられています。

意識するのはシンプルにこの3つです。

  • (できれば)句や節は前に出す:主語・動詞を邪魔しない
  • 意味がブレる配置を避ける(誤解が起きない形にする)
  • 最後を強く締める(結論を残して終える)

そこで本章では、『The Elements of Style: For Japanese Writers of English』で紹介されている文章術の中から、Part Fに直結する考え方を 「7つのルール」 として解説します。

この7つを入れるだけで、同じ内容でも英語が一気に整い、「上手く聞こえる回答」 に変わります。

ルール1|(できれば)句や節は前に出す:主語・動詞を邪魔しない

Part Fの40秒では、聞き手(=採点側)が 一瞬で構造をつかめる英文が有利です。

そのため基本は、主語と動詞を近づけることです。主語と動詞の間に説明を挟むと、文の骨組み(誰が・何をする)が見えるまで時間がかかり、聞き取りづらくなります。

ポイントはシンプルで、説明(句・節)はできるだけ前に出す だけです。

良い例(節を前に出す)

When I practice every day, I speak faster.
日本語訳:毎日練習すると、もっと速く話せます。

悪い例(主語・動詞の間に割り込ませる)

I, when I practice every day, speak faster.
日本語訳:私は、毎日練習すると、もっと速く話せます。(割り込みが不自然)

使いどころ:

具体例パートでは「When…, I…」が便利です。条件→結果が伝わりやすく、短くまとまります。

例)When I practice for 20 minutes a day, I improve quickly.
日本語訳:毎日20分練習すると、すぐ上達します。

ルール2|関係代名詞(who / which / that)は直後に置く:誤解を防ぐ

関係代名詞(who / which / that)は、「どの名詞を説明しているか」を示すサインです。
これが名詞から離れると、聞き手は「どれにかかってる?」と一瞬迷い、who がどの名詞を説明しているのか取り違えやすくなります。


基本はシンプルで、修飾したい名詞のすぐ後ろに置くだけです。

良い例(直後に置く)

People who keep trying often improve.
日本語訳:挑戦し続ける人は、成長しやすいです。

悪い例(離れてしまう)

People often improve who keep trying.
日本語訳:人はよく成長します、挑戦し続ける人が。(不自然で誤解されやすい)

使いどころ

理由を一般化するときに便利です。
「こういう人は〜しやすい」 が1文で作れます。

  • People who…(〜する人は)
  • Students who…(〜する学生は)
  • Workers who…(〜する社会人は)

例)Students who review daily remember more.
日本語訳:毎日復習する学生は、より多く覚えられます。

ルール3|同格(A, my brother, …)は名詞の隣に:情報の迷子を防ぐ

同格は、名詞のあとに「補足情報」を挟む書き方です。


ポイントは、説明したい名詞のすぐ横に置くことです。そうすると、1文のまま情報を足せて、Part Fでも 短く・明確 に話せます。

例(同格で短く補足する)

My brother, a nurse, works long hours.
日本語訳:私の兄は看護師で、長時間働いています。
(=「兄」と「看護師」を1文でつなげられる)

同格は便利ですが、日本人学習者にとっては少し慣れが必要な表現です。

Part Fでは、同格を使うこと自体が目的ではありません。大事なのは、短く・明確に伝えることです。

そのため、使い慣れていない場合は、次のような文型でも十分です。

代替表現

  • My brother works long hours as a nurse.
    訳:私の兄は看護師として長時間働いています。
  • My brother is a nurse, and he works long hours.
    訳:私の兄は看護師で、長時間働いています。
  • My brother, who is a nurse, works long hours.
    訳:私の兄は看護師で、長時間働いています。

使いどころ

同格は、具体例で 人物・立場・状況 を短く説明したいときに便利です。
「誰の話か」を一瞬で伝えられるので、40秒でも詰まりにくくなります。

  • My friend, a college student, …
    日本語訳:私の友人(大学生)は…
  • My job, a busy sales role, …
    日本語訳:私の仕事(忙しい営業職)は…

ルール4|形容詞・副詞は修飾先の“近く”に置く:意味のブレを防ぐ

修飾語(only / almost / not / always など)は、置き場所で 「どこを強調しているか」 が変わります。

Part Fでは、位置が悪いと 強調点が伝わらず、意味が誤解されやすくなる ので、修飾したい語のすぐ近くに置きましょう。

良い例(修飾先が一発でわかる)

I only need 40 seconds.
日本語訳:必要なのは40秒だけです。
(only=「need(必要)」にかかっている)

I almost passed the test.
日本語訳:もう少しで試験に合格するところでした。
(almost=「passed(合格した)」にかかっている)

※ only / almost / not は特に位置に注意。迷ったら「直後」に置く。

NG例(不自然・誤解されやすい)

I passed almost the test.
日本語訳:「試験をほぼ合格した」→ 英語として不自然
(almost の位置がズレている)

Part Fで効くポイント

  • only / not / almost は、意味がブレやすいので要注意
  • 修飾語は「修飾したい語の直前(または直後)」に置く

ルール5|否定は位置で意味が変わる:「All…not」より「Not all」

Part Fは一般論を話すことが多いので、言いすぎ(断言しすぎ)を避けるのが大切です。
そこで役立つのが Not all / Not everyone / Not every… の型です。これを使うと、主張が正確になり、誤解されにくくなります。

良い例(言いすぎを避けられる)

Not all students are motivated.
日本語訳:すべての学生が意欲的というわけではありません。

注意(誤解されやすい)

All students are not motivated.
日本語訳:すべての学生が意欲的ではありません。
(「全員やる気がない」と受け取られる可能性があります)

Part Fでの使いどころ

断言が強くなりすぎそうなときに、Not all / Not every を先に置くと安全です。

  • Not all people learn at the same speed.
    日本語訳:すべての人が同じ速度で学ぶわけではありません。
  • Not every goal needs talent.
    日本語訳:すべての目標に才能が必要とは限りません。

ルール6|情報(時間・場所・理由)は散らさず“まとめて言う”:聞き取りやすさUP

時間・場所・条件(during / in / because など)を文のあちこちに散らすと、聞き手は 文の骨組み(誰が・何をする) を追いにくくなります。

Part Fでは、こうした情報は 文の前(または主語の前後)にまとめて置くのが安全です。

「状況(時間・場所)→ 主語+動詞 → 内容(目的語)」の順にすると、音で聞いても迷いません。

良い例(状況をまとめる)

In my job, during busy weeks, I focus on one clear goal.
日本語訳:仕事では、忙しい週は、1つの明確な目標に集中します。

悪い例(情報が散る)

I focus, during busy weeks, on one goal, in my job.
日本語訳:私は集中します、忙しい週に、1つの目標に、仕事で。

Part Fでの使いどころ

具体例で 状況説明を入れたいときに使います。

例:At school / In my job / During exams / On weekends などを先に置くと、話が締まります。

ルール7|強調したい語は最後に置く:締めを強くする

Part Fは最後の1文で印象が決まります。
締めが「私はそう思います」で終わると、主張が残りにくいので、最後は 主張そのもの(強い名詞・動詞) を文末に置いて終えるのがコツです。

良い例(結論がはっきり伝わる)

So, hard work decides the result.
日本語訳:だから、結果を決めるのは努力です。
(最後が「結論そのもの」なので、“努力が結果を決める”がはっきり伝わります)

弱く見えやすい例(最後まで聞いても結論がはっきりしない)

So, that’s what I think. / Maybe hard work is important.
日本語訳:だから、私はそう思います。/たぶん努力は大切です。

Part Fでの使いどころ

最後のP(結論)で必ず使います。
So / That’s why / In the end + 結論を言い切る1文で締めると、締めが弱くなりにくいです。

例)

  • That’s why I choose A.(だから私はAを選びます)
  • In the end, practice builds confidence.(結局、練習は自信を作ります)

例題で実演(ビフォー→アフター)

ここからは、実際のPart Fの設問を使って「回答がどう変わるか」を見ていきましょう。
PREPは便利ですが、PREP“だけ”だと 文が長い/表現が抽象的/情報が散る といった弱点が出やすくなります。

そこで同じ設問に対して、Before→After1→After2 の順に改善していきます。

  • Before: PREP法だけで作った回答(ありがちな弱さ:長い/抽象的/散る)
  • After 1: 要点版チェックで“最短で整える”
  • After 2: 文章ルール7選で“さらに磨く”

例題:努力だけで十分?才能も必要?

問題
Do you think that hard work is enough, or does a person also need some talent to achieve difficult goals? Provide reasons to support your opinion.

日本語訳
難しい目標を達成するには、努力するだけで十分だと思いますか、それとも才能も必要だと思いますか。あなたの意見を裏付ける理由を挙げてください。

Before:PREPだけで作った回答(長い・抽象・散る)

回答例(Before)
In my opinion, I think that hard work is enough to achieve difficult goals because it is important and it helps people in many situations. For example, when people try their best, they can become better and successful, and they can also improve their skills. So, I think hard work is important.

日本語訳
私の意見では、難しい目標を達成するには努力で十分だと思います。なぜなら努力は重要で、いろいろな場面で人を助けるからです。例えば、人が一生懸命頑張れば、より良くなって成功でき、スキルも伸ばせます。だから努力は大切だと思います。

弱いポイント(ありがち)

  • 前置きが長い(In my opinion, I think that…)
  • “important / better / successful” が抽象的
  • 理由が1つなのか2つなのか曖昧で、話が散る
  • 締めが弱い(同じことを繰り返して終わる)

After 1:要点チェックリスト(Rule 12/13/15/16/18)で“最短改善”

ここでは 型(テンプレ)は固定したまま、5つのチェックで中身だけ整えていきます。

  • 前置きを削る(ムダ語削減)
  • 主語→動詞を近づける(語順の明快さ)
  • 抽象語→具体語へ
  • 理由2つは並列で揃える
  • 最後を強く言い切る

回答例(After 1)
I think hard work is more important than talent. First, effort builds skills through practice. Second, effort creates more chances because you keep trying. For example, if a student practices speaking every day, they become faster and clearer. So, hard work decides the result.

日本語訳
私は才能より努力の方が重要だと思います。1つ目に、努力は練習を通してスキルを伸ばします。2つ目に、努力する人は挑戦を続けるのでチャンスが増えます。例えば、学生が毎日スピーキングを練習すれば、より速く、より明確に話せるようになります。だから、結果を決めるのは努力です。

改善したポイント

  • 前置きを削って冒頭から結論
  • 理由を2つに絞り、形を揃えた
  • 具体例で “speaking practice” を入れて具体化
  • 最後を強く締めた

この時点で、Beforeよりかなり「聞き取りやすく、筋の通った回答」になります。

After 2:文章ルール7選で“さらに磨く”

次は、After 1の内容を 語順と配置 で仕上げます。

狙いは、1度で意味が伝わる並べ方にすることです。

使うルール(例)

  • 句や節は前に出す(主語・動詞を邪魔しない)
  • 修飾語・情報は近くに置く(散らさない)
  • 否定はNot allで明確に(必要なら)
  • 強調語は文末へ

回答例(After 2)
I believe hard work matters more than talent. First, with daily practice, people build skills step by step. Second, when you keep trying, you notice more opportunities and learn faster. For example, in my case, daily speaking practice made my answers faster and clearer. In the end, effort decides the result.

日本語訳
私は才能より努力の方が重要だと考えます。1つ目に、毎日の練習によって、人は段階的にスキルを伸ばせます。2つ目に、挑戦を続けると、より多くの機会に気づき、より速く学べます。例えば私の場合、毎日のスピーキング練習で、回答が速く、明確になりました。結局、結果を決めるのは努力です。

さらに良くなったポイント

  • with daily practice / when you keep trying を文頭に置き、主語と動詞を邪魔しない(聞き取りやすい)
  • 情報を固めて配置し、散らばりをなくした
  • 最後の1文を“強い語で言い切り”にして印象を残した

この実演で分かること

  • After 1: 5つのチェックだけで、回答を「短く・明確」に整えられる
  • After 2: 語順と配置まで整えると、同じ内容でも 聞き取りやすさと説得力 が上がる

この After 2の磨き方(語順・配置の整え方) こそが、『The Elements of Style: For Japanese Writers of English』で学べる文章術の強みです。
Part Fに必要な “伝わる形” を作る練習として、相性が良いアプローチです。

VERSANT対策の全体像を整理して学びたい方は、以下の記事で出題形式・勉強法・スコアアップのコツを詳しく解説しています。

本の紹介|なぜこの本がPart Fに効くのか

ここまで読んで、「PREP法は使える。でも、それだけだと頭打ちになる」という感覚がつかめてきたはずです。

改めて整理すると、PREP法は“骨組み”です。Part Fの得点を押し上げるのは、その骨組みを 短く・明確に・聞き取りやすく 仕上げる“文章の磨き”です。

40秒という短い制限の中では、内容を増やすよりも、同じ内容を整理して言えるかがスコアアップに直結します。

先ほどの例題でも、PREP法だけの回答(Before)から、要点チェックで整えた回答(After 1)までは「最短で直る」改善でした。

そして、さらに一段上のAfter 2では、語順や情報の置き方を整えたことで、結果として、同じPREP法でも 誤解されにくく、結論がはっきり聞こえる 形に変わりました。

このAfter 2で行った改善こそ、今回紹介した参考書

The Elements of Style: For Japanese Writers of English』 のルールと直結しています。

この本の強み|「日本人がやりがちな減点」をルールで潰せる

この本の強みは、日本人が英語でやりがちな“減点パターン”を、感覚ではなく 具体的なルールとして直せる点です。

Part Fでよく起きるのは、たとえば次の2つです。

  • 回りくどい前置きが増える(言い直しが増え、時間切れになりやすい)
  • 語順・修飾語・補足情報が散る(聞き手が「どこが結論?」と追いにくくなる)

本書は、こうした“日本人英語あるある”を「どう直せば伝わるか」を示してくれています。
そのためライティング本でありながら、Part Fのような短時間スピーキングにも応用しやすいのです。

特にPart Fに効くRule

  1. 具体的な言葉を使う(抽象→具体)
  2. ムダな語を省く(短く、明確に)
  3. 並列を揃える(理由を整える)
  4. 関連語を近くに置く(語順で迷わせない)
  5. 強調したい語を文末へ(締めを強くする)

特に4つ目と5つ目は、Part Fの伸び悩みに直結します。
「文の骨組みがすぐ分かる語順」に整え、「最後の一文を結論で終える」。この2つが入るだけで、内容が同じでも伝わり方が変わります。

読むべき範囲|通読は不要

読むべき範囲は全部ではありません。

Part F対策としては、まず今回扱った箇所だけで十分です。

最初から通読しようとすると挫折しやすいので、おすすめは次の使い方です。

この記事で説明した形式で1回話す → 本の該当Ruleを読む → もう1回話して直す

必要な部分だけ抜き出して練習したほうが、Part Fでは効果が出ます。

まとめ|Part Fは「PREP+文章ルール」で伸びる

Part Fで安定してスコアを伸ばすには、「英語を上手く話す」よりも、40秒で“伝わる形”に整えて言い切ることが重要です。
その最短ルートは、PREP法で骨組みを固定し、文章ルールで中身を磨くことが本記事の結論です。


Part Fで最も安定する構成は次の形です。

結論 → 理由2つ → 具体例1つ → 再主張


理由は2つまで、具体例は1つで十分です。40秒では「盛る」よりも、削って整えるほうがスコアアップにつながります。

Part Fでの回答を改善する順番をおさらいします。

  • まずはPREP法テンプレで話す
  • 次に「5つのミニチェック」で最短改善
    • チェック1:ムダ語を削れているか
    • チェック2:語順が明快か(主語と動詞が近いか)
    • チェック3:具体語になっているか
    • チェック4:理由2つの形が揃っているか(並列)
    • チェック5:最後が強く終わっているか(言い切り)
  • さらに伸ばしたい人は「文章ルール7選」で磨く
  • 例題でBefore→Afterを繰り返す

この順で練習することが、最も早く「話がまとまる人」になる方法です。

体系的に磨くなら本、練習するならVERSANT Bridge

  • 体系的に“文章の磨き方”を身につけたい人は、『The Elements of Style: For Japanese Writers of English』。
    特にPart Fに効くのはチェック1〜5(特に4と5)で、必要な章だけ拾い読みでOKです。
  • とにかくPart Fを反復練習をして、力をつけたい人は、VERSANT Bridgeで「パート別で練習・模試で実力チェック・復習」を繰り返してください。
    今回紹介したPREP法と文章ルールを確認しながら練習すると、改善点が明確になり上達が速くなります。

Part Fは、回答の“型”で攻略することができます。今回の内容を取り入れて、スコアアップを目指してください。

VERSANT Bridge」は、日本で初めてのVERSANT対策に特化した学習アプリです。

従来の講師による個別指導や参考書学習に頼らず、アプリを通じて効率的かつ実践的にスコアアップを目指すことができます。
VERSANTのスコアアップを目指したい方は、ぜひご活用ください。