日本初のVERSANT対策本著者が語る|スピーキングが伸びる学習・伸びない学習

「TOEICは高得点なのに、VERSANTだと点が出ない」
「何を練習したら“話せる”が伸びるのかわからない」

英語学習者から、こんな声をよく耳にします。

リスニングやリーディングは伸びているはずなのに、いざ“話す”となると言葉が出ない...。レッスンを重ねても、スピーキングの手応えがつかめない。特にビジネスパーソンの間では、リモートワークの隙間時間にオンライン学習を取り入れる人が増えた一方で、「努力の方向性が合っているのか分からない」という迷いも増えています。

そのような状況になりやすいのがVERSANT受験です。
VERSANTは“英語がわかるか”ではなく、“英語を瞬時に使えるか”を測る実践的なテストです。知識を積み上げる学習だけでは結果につながりにくく、対策方法を間違えるとスコアが伸びにくい試験でもあります。

そこで今回は、ロサンゼルス育ちの日英バイリンガルで、スピーキングテスト領域を研究。VERSANTを200回以上受験し、満点(90点)を継続してきた江藤友佳さんにインタビューを実施しました。
VERSANTの本質から、日本人がつまずきやすいポイント、そして忙しい社会人でもスコアを伸ばしていくための学び方まで、VERSANT受験者に役立つヒントを伺います。

江藤 友佳(えとう ゆか)

ロサンゼルス育ちの日英バイリンガル。コロンビア大学大学院 Teachers College 修了。修士論文では英語スピーキングテスト領域をテーマに研究を行う。現在はシリコンバレー在住で、Y.E.Dインターナショナル合同会社 代表として研修・英語指導に携わっている。
VERSANTは累計200回以上受験し、満点(90点)取得。2005年頃の前身テスト時代から継続して受験しており、問題形式や評価基準がどのように変化してきたかを研究・分析してきた。
資格:TOEIC L&R 990、TOEIC S&W 400、ACTFL OPI Superior、英検1級、GCAS C2、Linguaskill Business C1+。

目次

修士論文テーマも含め、スピーキングテストを専門にされている印象です。
“スピーキングテストを専門にする”と決められた理由を教えてください。

私が大学院に在籍していたのは2000年代後半です。当時、日本で「英語試験」といえば、主にTOEIC®と英検が中心でした。英検は面接形式のスピーキングテストをさほど変わりなく長く続けてきましたが、一方でTOEIC®のスピーキングテストは、まさに大きな転換期を迎えている時期でした。

当時のTOEIC®には、高得点者のみに案内が送られる、インタビュアーとの対面式試験である TOEIC Language Proficiency Interview(LPI)がありました。これは非常に難易度の高いスピーキングテストで、ほとんどの日本人受験者は5段階評価のうち1.5や2程度の評価にとどまっていました。普通のネイティブスピーカーでも5を取るのはほぼ不可能だと言われるほどで、外交官を目指す人向けの評価指標をもとにした試験だったと記憶しています。そのため、どれだけ勉強してもスコアが伸びにくく、受験者数も多くはない試験でした。

そのような状況の中で、2006年にTOEIC® Speaking & Writing(TOEIC® SW)が登場しました。これは英語学習者を主な対象とした試験で、ネイティブでも苦戦するLPIとは、試験の内容や目的が大きく異なるものでした。私はこの変化を見て、「これから日本でもスピーキングテストがもっと活用される時代が来るのではないか」感じ、英語のスピーキングテストを研究テーマに選びました。

それから約20年が経ちましたが、日本におけるスピーキングテストの活用は、残念ながら今もなお十分に広がっているとは言えない状況です。当時は、もっと多くの人が英語を流暢に話している未来を思い描いていましたが、現実は必ずしもそうなっていません。このギャップこそが、今もなお私がスピーキングテストに関心を持ち続けている理由かもしれません。

書籍『はじめて受ける VERSANT Speaking and Listening 全パート完全攻略[音声DL付]』について

VERSANT対策本を書こうと思った理由を教えてください

私が本書の執筆を快諾した理由は、できるだけ多くの日本人に、英語を話すための基礎力を身に付けてほしいと強く思っていたからです。試験対策書は、学習者がどのように学習するかという行動に大きな影響を与えます。しかも書籍は比較的安価で、多くの方の手に届きやすい教材です。そのリーチ力を活かし、一人でも多くの学習者に英語学習のきっかけを届けたいという思いで執筆しました。

washback effectという言葉を聞いたことはあるでしょうか。これは、試験が学習内容や学習方法に与える影響のことを指し、日本語では「ウォッシュバック効果」や「波及効果」と訳されます。試験が学習方法に影響を与える以上、その影響は学習者の最終的な英語力にも及ぶことになります。たとえば、文法や語彙を問う選択問題が中心の英語試験であれば、学習者は正解を選ぶ練習や暗記に多くの時間を費やすようになります。一方で、スピーキングやライティングなど、実際に英語を使う力が評価される試験であれば、話す練習や書く練習に重点を置いた学習が行われるようになります。このように、試験は学習者の行動を大きく左右します。この現象こそが washback effect です。VERSANTの受験に向けたwashback effectは日本人のスピーキング力の底上げに貢献しますので執筆を快諾しました。

また、本書が VERSANT試験の普及にも役立てば、という思いもありました。試験対策本がなければ、受験者は「何を、どのように勉強すればよいのかわからない」という不安を抱きがちです。しかし、試験の意図や求められる力を丁寧に解説した対策本があれば、学習の道筋が見え、「この試験なら挑戦してみよう」と感じる人が増えるかもしれません。その結果として、受験者数の増加につながる可能性も十分に考えられます。

想定している読者はどのような層でしょうか

本書が想定している主な読者層は、大きく分けて2つに分かれます。1つのグループは、英語のスピーキング力をどのように伸ばせばよいかわからず、学習に迷いを感じている方。もう1つのグループは、VERSANTの評価の仕組みや問題の傾向を理解したいと考えている方です。

第2章は、英語のスピーキング力を独学で伸ばしたい方に向けて書きました。VERSANT に特化した内容ではなく、自然な英語を身に付けるための考え方や、英語と日本語の違いなど、私が英語レッスンの基礎講座で実際に指導している内容を盛り込んでいます。

一方で、VERSANTの攻略法を知りたい方のためには、パート別に攻略法を徹底的に分析し、丁寧な解説を心がけました。練習素材に困ることがないよう、本番形式と同じ 246 問を作問しています。私自身が 200 回以上 Versant を受験してきた経験をもとにしているため、本番に近い形で安心して学習していただける内容になっています。読者のみなさんに、無駄なく、そして安心して学んでいただけるよう、内容を厳選して執筆しました。それでも、実は352ページに抑えるのは大変だったんです!

本書の「1番の売り/他の対策(Web情報・講座)と違う点」は何でしょうか。

この本は日本の書店に並んだ最初のVERSANT対策本だと思います。

1冊でスピーキングの基礎からVERSANTの対策まで包括的にできるようになっているのが売りです。

読者がこの本を使うことで、どんな状態になってほしいか

正しい練習法をたくさん紹介していますので、正しい練習方法を習慣化するお手伝いができればうれしいです。

江藤さんの著書『はじめて受ける VERSANT Speaking and Listening 全パート完全攻略[音声DL付]』は下記からご覧いただけます。

VERSANTについて

VERSANTは何を測っている試験でしょうか?試験をあまり知らない方に向けて教えてください。

VERSANTは英語の瞬発力を測るテストだと考えるとわかりやすいと思います。ナチュラルスピードの英語を瞬時に処理して、口から英語を出せるかを試されているので、良いスコアをとるためには誰にでもわかる発音や流暢さも身についている必要があります。実践的なコミュニケーション力が評価されると言えます。スコアが上がる人は「考え込まずに、自然なスピードで英語をどんどん話せる人」です。このテストはTOEIC®Speaking Testよりも発音や流暢さが評価される割合が高いのも特徴です。止まらずに話せて、質問の意図に合った答えを返すための「英語の基礎体力」を測っているテストだと考えてもらうとよいと思います。

TOEIC高得点の方でVERSANTでスコアが伸び悩む方がいます。理由は何でしょうか。

TOEIC®で高得点を取っているにもかかわらず、VERSANTでは思うようにスコアが出ないというケースは、決して珍しくありません。その理由は、両者が測っている能力が大きく異なるからです。TOEIC®は「英語がわかるかどうか」を測り、VERSANTは「英語ができるかどうか」を測る試験です。

TOEIC®は選択式です。問題文や選択肢を見て、「なんとなく意味がわかる」「消去法で正解が選べる」といったレベルでも、高得点を取ることが可能です。一方で、VERSANTは実際に英語を使う力を測る試験です。聞こえた英語をその場で理解し、即座に英語で発話することが求められます。

TOEIC®のリスニング問題のPart 3とPart 4は、VERSANTのPart CとPart Dに非常に似ています。TOEIC®は選択肢から答えを選びますが、VERSANTは自分の口で答えを述べる必要があります。同じような問題なのにVERSANTでは苦戦する学習者がとても多いのは、「なんとなく」の理解では太刀打ちできないからです。受験に際して、必要な記憶の種類が異なるとも言えます。

TOEIC®で活用するのは、「これはこういう意味」「この文法はこう使う」といった知識の記憶であり、「宣言的記憶」と言います。一方、VERSANTで求められるのは、考えなくても自然に口が動くような記憶で「手続き記憶」と言います。「手続き記憶」は頭で考える前に体が反応して「瞬時にできる」レベルの記憶です。

TOEIC®高得点者が VERSANT で苦戦しやすいのは、知識としての英語は十分にあるものの、それを瞬時に使う訓練が不足しているからなのです。

VERSANTの問題で江藤さまが最も難しいと思うPartは何でしょうか。

私にとって最も難しいのは、50〜150語のストーリーを1回だけ聞いて、30秒以内に要約して話す Part E です。音声は一度しか流れず、しかもストーリーの長さに幅があるため、いわば「アタリの問題」と「ハズレの問題」があるように感じてしまいます。

私の場合、生まれてからずっと英語に触れてきたので、短いストーリーであれば、そこまで強く集中していなくても、聞いた内容をイメージ化し、そのイメージをもとに話を再構築できます。しかし、長いストーリーになると、記憶の負荷が一気に高まります。意識的に聞かないと、話の細部をうっかり聞き逃してしまうこともあります。

さらに、内容には物語タイプとニュース・講義タイプの2種類があり、ニュース・講義タイプは年号や固有名詞が出てくることもあり、知らないトピックだと負荷が高く感じます。出題される確率は物語タイプのほうが高いように思いますが、たまにニュース・講義タイプに当たると、情報の展開や整理の仕方を瞬時に考えながら話をまとめる必要があり、難しく感じます。ただ、完璧に要約できなくても満点が取れることは、これまでに何度か実験で検証しています。そのため、精神的なストレスは高まりますが、難易度の高い問題が出題されたからといって、スコアが極端に下がるわけではありません。

全Partで「最も差が出る」問題は何だと思われますか?

配点といった意味では、どのパートも同じように大切なので、「差が出る」というのは申し上げにくいのですが、「練習が楽しくなりやすい」パートはPart F の意見問題だと思います。

このパートは自由度が高く、自分のレベルに合わせて話し方や内容を調整できるからです。ほかのパートは、聞いた内容を正確に再現したり、決まった答えを述べるというパートですので、求められていることが決まっています。一方で Part F は、語彙の選び方、文の組み立て方、理由の述べ方、話の広げ方、発音・流暢さなど、総合的にその人の英語力がそのまま反映されます。厳密な「唯一の正解」がない分、シンプルな英語で最低限のことを伝えることもできますし、上級者であれば、より具体例や理由を加えて説得力のある意見に発展させることもできます。つまり、同じ質問でも、受験者の「今のレベル」によってアウトプットの質と量に大きな差が生まれやすく、継続的な練習によって段階的にステップアップしていくことができます。

練習を続けていくと「1年前の自分が言えたことと今の自分が言えることがこんなにも違う!」と成長を感じられるパートです。そういった意味で、最も実力差が表れやすいパートだと言えます。

VERSANTスコア30点後半の方に向けて

これまで江藤さまが関わってきたVERSANTスコア30点台後半の方の英語力というのは具体的にどのくらいでしょうか。

同じ30点台後半でもタイプはさまざまで、文法や語彙の知識は比較的あるのに発音や流暢さの問題で通じにくい方もいれば、逆に細かい正確さは足りないものの勢いである程度話せる方もいます。

ただ私の経験上、共通点もあると思います。30点台後半の方の英語力は一言で言うと「動画などで見たことや体験したことがあるような場でのやり取りはできるが、安定感にばらつきがある」レベルです。

例えば、海外出張先のホテルでチェックインをしたり、レストランで注文をしたりといった英語の教科書で出会ったことのある場面では、必要最低限のやり取りは何とかこなせる方が多いです。また、職場でも、自分が知っているトピックについて、簡単な指示を理解したり、短い質問に答えたりすることはできます。ただし、少し話が長くなったり、予想していない聞き方をされたりすると、急に聞き取れなくなったり、言いたいことがうまく出てこなくなったりします。また、ファーストフード店での注文はできたとしても、たとえば、初めての海外のステーキハウスに言ったら、何を言われているか全くわからない、といったように、初めて出会う場面だとチンプンカンプンになってしまう方も多いです。

このスコア帯は、「何とか英語でやり取りはできるが、場面によっては大きく不安定になる」段階だと感じています。

受験者が最初に優先してやるべきことを教えてください。

多くの方が単語やフレーズを増やすことから学習を始めます。それもとても大切なことなのですが、スピーキング試験の専門家としてならではのアドバイスとして「今まで学習する機会がなかった場合は、優先して、英語の音そのものへの理解を深めてほしい」とレッスン受講者にお伝えしています。

具体的には、Phonemics(音素)、つまり英語を構成する基本的な音の学習から始めることを強くおすすめします。VERSANT は発音の正確さを非常に重視する試験であり、英語の一音一音がどれだけ明瞭に発音されているかがスコアに大きく影響します。そのため、英語と日本語で異なる母音・子音の区別や、日本語には存在しない音を正しく理解し、安定して出せるようにすることが重要です。

また、音を出せる前段階として、聞けるようになることも非常に大切ですので、音の理解が曖昧なままでは、なかなか学習が進まないのです。あわせて、英語特有のリズムやイントネーションにも早い段階から意識を向ける必要があります。日本語は音節(モーラ)を均等に発音する言語ですが、英語は強弱のあるリズムを持つ言語です。強く発音される音と弱くなる音、文全体の抑揚を理解しないまま話すと、発音が一つ一つ正しくても、全体として不自然に聞こえてしまいます。このあたりのお話を『はじめて受ける VERSANT Speaking and Listening 全パート完全攻略』の第2章で紹介しています。

このように、VERSANT 対策の第一歩は、日本語と英語の音の違いを知り、英語らしい音・リズム・イントネーションを身に付けることです。ここを土台として固めておくことで、その後の練習が無駄にならず、効率よくスコアアップにつなげることができます。

逆に、遠回りになりやすい学習を教えてください。

私はVERSANTテスト対策にはシャドーイングは向かないと思います。シャドーイングは通訳者がリテンション力(記憶力)と処理能力(スピード)を鍛えるために活用するトレーニング方法です。

VERSANTにこのトレーニングが向かない理由は、VERSANTが発音の正確さと明瞭さを非常に重視する試験だからです。流暢さも評価で占める割合が多いのは事実ですが、シャドーイングでは、音声を途切れずに追いかけることに意識が向きやすく、結果として一音一音を丁寧に発音する余裕がなくなりがちです。特に学習者の場合、子音や語尾、母音の長さが曖昧になり、もごもご話す発話になりやすくなります。話している本人はスムーズに発話できているつもりでも、発音の明瞭さは犠牲になりやすいのがシャドーイングの特徴で、その癖が抜けなくなると、いつになっても発音点が悪く、スコアが伸び悩んでしまいます。

VERSANTは自動音声認識を用いて評価される試験であり、個々の音がどれだけ正確に発音されているかがスコアに大きく影響します。そのため、まずは丁寧な発音練習を行い、ネイティブの発音を意識せずとも自然にできるようになることを優先しないと、スコアアップできません。最初からスピードを優先して不明瞭な発話になると、評価上は不利になります。

このような理由から、シャドーイング中心の練習は、VERSANT の総合スコアに良い影響を与えにくいだけでなく、場合によっては発音が雑になる癖がつき、かえって悪影響を及ぼす可能性もあります。

VERSANT全パート攻略方法

VERSANTはパートごとに「求められる力」と「伸ばし方」が大きく異なります。
そのため、総合的な英語力だけで押し切ろうとするよりも、各パートの評価ポイントに合わせて練習を最適化するほうが、スコアアップの近道になります。

とはいえ、パート別の対策は「何を」「どの順番で」「どのくらいの精度で」やるべきかが分かりにくく、独学だと遠回りになりがちです。
そこで本章では詳細な解説はあえて割愛し、VERSANTを200回以上受験し、満点(90点)を継続している江藤友佳さんが、パート別に具体策を解説しているYouTubeをご紹介します。

動画では、各パートの出題意図・評価されやすいポイント・効率の良い練習方法など、初学者でも再現できる形で整理されています。
「まずどのパートから手をつけるべき?」「伸び悩みの原因はどこ?」と感じている方は、ここからチェックしてみてください。

▽江藤友佳さんのYouTube(VERSANT全パートの解説はこちら)

VERSANTスコア30点台後半の方が伸び悩む原因は、江藤さまのご経験上どこにあるとお考えでしょうか。また、その課題を踏まえ、30点台後半の方はどのような順序で学習を進めるのが効果的でしょうか。

一番の原因は、「自分がどのタイプで、何が足りていないのか」を正確に把握しないまま学習を手探りで続けてしまうことだと思います。

30点台後半の方は大きく分けて3つのタイプに分類できます。1つは、文法や語彙などの基礎知識は比較的あるのに、発音やリズム、流暢さが弱く、結果としてスピーキングの評価が伸びないタイプ。もう1つは、音も語彙選択も文法も比較的正確なのに、とにかく時間がかかって流暢さが足りない方。そして、もう1つは知識は十分とは言えないものの、勢いで話せる反面、文の正確さや表現の幅が足りず、スコアが頭打ちになっているタイプです。

同じスコア帯にいても課題がまったく違います。それにもかかわらず、「とりあえず音読練習をしてみる」「とりあえず単語を覚える」といった「なんとなく良さそう」と思う対策を続けてしまうと、弱点が埋まらず、結果として伸び悩んでしまうケースが多いと感じています。アプリで診断したり、先生に見てもらうといったことを通して、何が課題なのかを把握して、目的をもった学習をする方が早く伸びます。

発音やリズムが課題の方は、発音診断アプリなどをフル活用して、できるだけお手本に寄せていくトレーニングが効果的です。流暢さに課題がある場合は、何度も同じことをタイムトライアル的に時間を短縮して言うトレーニングで瞬発力を鍛えていくことが大切です。語彙選択や文法に課題がある方は少し立ち止まって机上の勉強で知識の入れ直しが必要かもしれません。

すべての学習者に言えることですが、やみくもに勉強するよりも、まず自己分析をして弱点を特定し、そこを重点的に補強する順序で学習を進めることで、効率よく次のレベルに進みやすくなります。

最後に:読者へのメッセージ

高スコアを目標にスピーキング練習を重ねることは、自分の努力の成果を数字で確認できる、とても有意義な挑戦です。しかし伸び悩んだり、同じ練習の繰り返しに飽きてしまったりすることもありますよね。言語習得は長く続くマラソンです。大きく伸びる時期もあれば、静かに力をためる時期もあります。思うようにいかない日があっても、続けていれば前に進みます。

長期戦だからこそ、ぜひ楽しさを味方につけてください。好きな英語系インフルエンサーの投稿を見ることを日課にしたり、大好きな映画のセリフを完コピしてお気に入りのキャラクターになりきってみたり、英語の歌をカラオケでたくさん歌ったり、自分が「楽しい!」と思う活動を加えると、学習は続けやすくなります。

AIとの会話も良い刺激になりますし、新しい学習ツールもどんどん増えています。多くの講師がおすすめする王道の練習法を大切にしながらも、「自分らしさ」を加えてみてください。学習は、自分の可能性を広げるための投資時間です!すぐに明確なリターンがあるように感じないかもしれませんが、焦らず、一歩ずつ。心から応援しています!

家庭でできる英語学習のヒント:YouTube・教材・コミュニティ

Feel English Circle(コミュニティ)

江藤さんから直接学べる英語学習サークルは、【年額】10,000円(税込)でご参加いただけます。直接質問ができるほか、毎月オンライン配信コンテンツや学習書籍のプレゼントもあります。さらに、年に2回、各2時間程度のセミナーにも参加できる、とてもお得な学習者コミュニティです。

Feel English Circle(コミュニティ) - T'z英語ラウンジ

Feel English Circle FECは英語学習者のためのサークルです。運営者は、ボク(ヒロ前田)とバ

YouTubeチャンネル『マウイと英語を学ぼう!|江藤友佳(Learning Garden英語教室)』

「英語は子どもの頃から取り組めば、苦労は半分?!」そんな思いを軸に、VERSANT対策、企業研修、プレゼンテーション研修など、大人の学びに定評のある江藤様は、実は子どもの英語教育にも強い熱意をもって取り組んでいます。

運営するYouTubeチャンネル『マウイと英語を学ぼう!|江藤友佳(Learning Garden英語教室)』では、子育て中の保護者に向けて、バイリンガル子育ての考え方や、日常に取り入れやすい英語学習のヒントを、わかりやすく発信しています。ロサンゼルス育ちの日英バイリンガルである江藤氏が、日本生まれの愛犬マウイと、メキシコからレスキューされたモアナと共に、「おうち英語」で使える表現や学習法、教材活用のアイデア、さらに英検などの試験対策にも役立つ内容を動画で紹介しています。

また、「大人になってから英語を勉強するのはつらい」「大変だ」という声が多い中で、「だからこそ、英語はできるだけ早く、生活の中で触れておくことが大切」という考えのもと、ネイティブの子どもたちが必ず学ぶサイトワーズ(最初の1000語)を身につけるための教材も提供しています。さらに、「将来、英語で困らないように、英語で生活する機会を子どもに与えたい」と願う保護者向けに、アメリカ人約500名と2週間寝食を共にする小中学生向けサマーキャンプの受け入れ支援も行っています。お子さんに英語で苦労させたくない方はぜひご参考になさってください。

まとめ|“話せる”をスコアにつなげるために

本記事では、「TOEICは高得点なのに、VERSANTでは点が出ない」「何を練習すれば“話せる”が伸びるのかわからない」という多くの学習者が抱える悩みに対して、江藤友佳さんの視点から解説していただきました。

印象的だったのは、TOEICが主に「英語がわかるか」を測るのに対し、VERSANTは「英語を瞬時に使えるか」を測るという整理です。知識(宣言的記憶)が十分にあっても、瞬発的に口が動く状態(手続き記憶)に変わっていなければスコアは伸びにくい——この違いを理解するだけでも、学習の迷子状態から抜け出しやすくなります。

また、30点台後半で伸び悩む原因として挙げられたのは、「自分がどのタイプで、何が足りないのか」を把握しないまま“なんとなく”学習を続けてしまうこと。発音・リズムが課題なのか、流暢さ(スピード)が課題なのか、文法・語彙の土台が不足しているのか。同じスコア帯でもボトルネックは人によって異なるため、まず自己分析をして優先順位を決めることが、最短ルートにつながると分かりました。

さらに、VERSANT対策として「シャドーイングは向かない」という指摘も印象的でした。途切れずに追うことに意識が向くあまり、VERSANTで重視される“音の明瞭さ”が不足しやすい——だからこそ、最初は英語の音素(Phonemics)を理解し、英語特有のリズムやイントネーションを土台から整えることが重要。忙しい社会人ほど、努力を“効く練習”に集中させる必要があります。

「何をやればいいか」より先に、「何が足りないか」を見極める、この順序を取り戻すことがスピーキング学習を前に進める第一歩だと感じました。

最後に、貴重なお話を共有してくださった江藤友佳さん、ありがとうございました。スピーキングテストの変遷を長期的に見続け、200回以上の受験経験と研究知見をもとに語られる内容は、VERSANT受験者はもちろん、英語学習そのものに迷う多くの方にとって大きな指針になるはずです。

江藤さんの著書『はじめて受ける VERSANT Speaking and Listening 全パート完全攻略[音声DL付]』は、スピーキングの基礎からVERSANT対策までを1冊で体系的に学べる内容です。気になる方は、ぜひチェックしてみてください。

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