【結論】VERSANTは意味ない?→使い方を間違えなければ最強の武器です。スコア別対策と全パート攻略法を徹底解説

「VERSANTって、本当に意味ないの?」

実際に、SNSやブログでは「スコアが実力と合わない」「難しすぎる」といった声も目にします。

そこで本記事では、そのような声をまとめた「VERSANT」って、意味ないんじゃない?という疑問を少しでも解消できるよう、分かりやすく丁寧にまとめました。

単に「VERSANTは意味がある」とお伝えするだけの記事ではありません。

具体的には、次のような内容を網羅的に紹介します。

  • VERSANTは意味のあるテストである理由とその根拠
  • VERSANTがあなたに向いているのかが分かる診断チャート
  • あなたの今のスコア(30点台、40点台…)から目標スコアを達成するための「具体的な学習ロードマップ」
  • 全パートを効果的に攻略するための「詳細なテクニック」
  • VERSANTスコアが「実際のビジネスシーンでどのように活きるのか」

この記事を読み終える頃には、「VERSANTは意味がないかも」という漠然とした不安はなくなり、VERSANTはキャリアを後押ししてくれる「心強いツール」だと思えるはずです。

最短ルートでVERSANTを攻略し、英語力を世界で通用するレベルへと引き上げましょう。

目次

第1章:「VERSANTは意味ない」論争に終止符を。5つの理由とその見方

「VERSANTは意味がない」という声を耳にして、受験をためらっている方もいるのではないでしょうか。

あるいは、すでに受験したものの、スコアの妥当性に疑問を感じている方もいるかもしれません。

本章では、VERSANTが「意味がない」と言われる理由を丁寧に整理し、それぞれにどのような背景があり、どのような誤解が生まれやすいのかを分かりやすく解説します。

なぜ「意味ない」と言われるのか?5つの理由を徹底分析

VERSANTに対する否定的な意見は、主に以下の5つに集約されます。

内容受験者の不安具体的な内容
1. 難易度が高すぎる「勉強してもスコアが上がらないのではないか」ネイティブの自然なスピードでの会話、発音の正確性、そして瞬時に応答する能力が求められるため、多くの日本人受験者にとって難しく感じられる。
2. 知名度が低い「スコアを取得しても、キャリアアップに活かせないのではないか」日本国内での知名度はTOEICや英検に及ばず、就職や転職活動でアピールしても評価されにくい場合がある。
3. AI採点への不信感「自分の実力が正しくスコアに反映されないのではないか」人間ではなくAIが採点するため、「本当に正しく評価されているのか」「評価基準が分かりにくい」と不安に感じる人が多い。
4. 実践的な会話力とは違うのでは?「高スコアでも、実際に話せるようにはならないのではないか」機械音声に対して答えるテスト形式が、人と会話するリアルなコミュニケーションとは異なると感じられる。
5. 受験料が高い「費用に見合った価値があるのか」1回あたり6,600円(税込)という受験料は他の試験と比較すると高めに感じられる。

それでもVERSANTが「意味ある」と言える4つの根拠

前章で紹介したような「VERSANTは意味がない」と言う意見に対して、実際にはVERSANTが価値のある試験であると言える、その根拠を4つに分けて解説します。

VERSANT全体の概要や各パートの対策については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。

根拠1:VERSANTスコアレポートで弱点を正確に把握できる

内容受験者の不安具体的な内容
1. 難易度が高すぎる「勉強してもスコアが上がらないのではないか」ネイティブの自然なスピードでの会話、発音の正確性、そして瞬時に応答する能力が求められるため、多くの日本人受験者にとって難しく感じられる。

VERSANTのスコアレポートは、総合スコアだけでなく、「スピーキング」「リスニング」「話法能力」という3つのスコアを詳細に示してくれます。

この詳細なフィードバックがあることで、どこを伸ばすべきかがはっきり分かるようになります。

また、フィードバックに基づいて学習計画を立てることで、弱点を効率的に改善でき、最短ルートでスピーキング力を向上させることが可能になります。

実際にWeb上でも「対策をすることでスコアアップができた」という受験者の声が多く見られます。

スコアレポートを分析して、効果的な学習ができればスコアをしっかり伸ばすことができます。

根拠2:海外赴任や昇進の選考基準として活用されている

内容受験者の不安具体的な内容
2. 知名度が低い「スコアを取得しても、キャリアアップに活かせないのではないか」日本国内での知名度はTOEICや英検に及ばず、就職や転職活動でアピールしても評価されにくい場合がある。
4. 実践的な会話力とは違うのでは?「高スコアでも、実際に話せるようにはならないのではないか」機械音声に対して答えるテスト形式が、人と会話するリアルなコミュニケーションとは異なると感じられる。
5. 受験料が高い「費用に見合った価値があるのか」1回あたり6,600円(税込)という受験料は他の試験と比較すると高めに感じられる。

VERSANTは、日本国内ではTOEICほど知名度はないものの、世界的には特にビジネス英語のスピーキング能力を測る指標として広く認知されている試験です。

金融、IT、製薬、航空など、幅広い業界のトップ企業が、採用や昇進、海外赴任者を候補者から選抜する基準としてVERSANTを活用しています。

これは、VERSANTがビジネスの現場で求められる実践的な英語コミュニケーション能力を正確に測定できると評価されている証拠です。

さらに、VERSANTを開発したPearson社の公式情報によれば、世界160カ国以上、2,000社を超える企業や教育機関がVERSANTを導入しています。

日本国内でも、三菱UFJ銀行や資生堂、TORAIZなどの企業が、社員の英語力評価や海外赴任者の選抜にVERSANTを活用しています。

そのため、VERSANTで高スコアを獲得することは、キャリアアップの選択肢を広げることに繋げることができると言えるでしょう。

根拠3:AI採点の信頼性は、米国政府機関で用いられる口頭試験に匹敵するレベル

内容受験者の不安具体的な内容
3. AI採点への不信感「自分の実力が正しくスコアに反映されないのではないか」人間ではなくAIが採点するため、「本当に正しく評価されているのか」「評価基準が分かりにくい」と不安に感じる人が多い。

VERSANTのAI採点システムは、言語学・統計学・音声認識の専門家が開発した高度な評価技術で構築されており、その信頼性は、米国政府機関で使用される ILR口頭試験(OPI)との高い相関があることが、統計的に示されています。

つまり、VERSANTのスコアは人間が採点する場合と同等レベルの精度がある、むしろそれ以上の客観性と再現性を持つ信頼できる試験と言えます。

参考:https://cdn.caimber.com/papers-and-presentations/BernsteinCheng-Ch8-2007.pdf

根拠4:「客観的に」スピーキング力を証明できる唯一無二のテスト

内容受験者の不安具体的な内容
4. 実践的な会話力とは違うのでは?「高スコアでも、実際に話せるようにはならないのではないか」機械音声に対して答えるテスト形式が、人と会話するリアルなコミュニケーションとは異なると感じられる。

「英語が話せます」と伝えても、英語力を客観的に証明するのはとても難しいことです。

VERSANTは、AIによる自動採点によって採点者の主観や偏りを排除し、スピーキング・リスニング能力を一貫した基準で評価します。結果は10点~90点のスコアで明確に可視化されるため、実力を数字で把握できます。

これにより、あなたは自身のスピーキング・リスニング力を、誰に対しても明確な根拠を持って示すことができるようになります。

結論:VERSANTは「目的」と「使い方」次第で、最強の武器になる

「VERSANTは意味がない」という意見は、試験の一部だけを取り上げた一面的な見方とも言えます。

VERSANTはある特定のスキルを測定することを目的としていることから、そもそもすべてのスキルを測定することはできません。

しかし、「ビジネスで通用するスピーキング力を客観的に証明したい」「自分の弱点がスピーキング・リスニングであることが明確で、特にそのスキルを効率よく伸ばしたい」という目的を持つ方にとっては、これ以上ないほど有効な試験です。

重要なのは、VERSANTの特性を正しく理解し、あなたの目的に合わせて賢く使うことです。

次の章では、「あなたがVERSANTを受けるべきか」を判断するための具体的な指針を紹介します。

第2章:あなたはどっち?VERSANTを受けるべき人・受けなくていい人

VERSANTがスピーキング・リスニング能力を測る上で非常に有効なテストであることは間違いありません。

しかし、誰もがVERSANTを受験すべきかというと、答えは「No」です。

あなたの英語学習の目的や現在のレベルによっては、他の試験の方が適している場合もあります。

本章では、あなたがVERSANTを受験したほうがいいのか、または別の選択肢がより合っているのか、分かりやすい目安を紹介します。

【診断チャート】VERSANTはあなたに必要?

まずは簡単な診断チャートで、VERSANTがあなたに合ったテストかどうかを確認してみましょう。

 

VERSANTの受験を強くおすすめする人の特徴

上記の診断チャートで「VERSANTの受験を強くおすすめします」にたどり着いた方は、VERSANTを受験することで得られるメリットが大きいタイプです。

ここでは、特にVERSANTとの相性がよい方の特徴をご紹介します。

①海外赴任・駐在を目指しているビジネスパーソン 

VERSANTを採用している会社では、海外赴任者を選ぶ際にVERSANTのスコアを重要な判断材料にしています。

現地スタッフとのやり取りや、円滑に業務を進めるためには、VERSANTが測定する「流暢さ」や「瞬発力」が欠かせないためです。

そのため、海外赴任を目指している方にとって、VERSANTは英語でのコミュニケーション能力を示すうえで頼れる指標になります。

②外資系企業やグローバルな職場への転職を考えている方 

VERSANTは、外資系企業やグローバル企業での採用が進んでいます。

外資系企業などでは、社内コミュニケーションや会議、クライアント対応の多くが英語で行われるため、スピーキング力とリスニング力の実践的な証明が求められます。

そのため、職務経歴書へ「VERSANT 〇〇点」と記載できることは、実務レベルの英語運用能力の客観的な証明となり、アピールポイントとなります。

VERSANTで高スコアを獲得していることは、グローバルな職場で即戦力として評価される可能性のある重要な要素です。

③スピーキング力を客観的な数値で示したい方 

「日常会話レベルです」「ビジネスレベルです」といった曖昧な自己評価ではなく、「CEFR B1レベルです」と国際基準で自身のスピーキング力を証明できることは、大きな自信に繋がります。

④自分の英語学習の課題を明確にし、効率的に学習したい方 

VERSANTのスコアレポートでは、総合スコアだけでなく、「スピーキング」「リスニング」「話法能力」の3つのスコアに分けて評価してくれます。

これにより、あなたは自分の弱点を正確に把握し、的を絞った学習計画を立てることができます。やみくもに学習するのではなく、根拠のあるアプローチでスピーキング力を向上させたい方に最適です。

無理に受けなくてOK。他の試験を検討すべき人の特徴

一方で、以下のような特徴に当てはまる方は、現時点ではVERSANTの受験を急ぐ必要はありません。自分の状況に合わせて、他の選択肢を検討しましょう。

英語学習を始めたばかりの初心者の方 

VERSANTは、ある程度のリスニング力・スピーキング力の基礎が身についていることを前提につくられたテストです。

そのため、英語学習を始めたばかりの段階では、どうしてもスコアが低く出やすく、「どこが弱点なのか」把握しにくいため、学習の手応えを感じづらい場合があります。

まずは、中学レベルの文法・語彙・発音の基礎をしっかり固めることが重要です。

英検3級〜2級程度の学習を通して基礎力を身につけることで、VERSANTが測定するスピーキング・リスニング能力の土台が整い、試験中も英語音声が聞き取りやすくなり、より正確に回答できるようになります。

基礎を固めたうえでVERSANTに取り組むことで、

  • 弱点がスコアに分かりやすく表れる
  • 自分の強み・課題が具体的に見えてくる
  • 学習した内容がスコアに反映され、伸びを実感しやすい

という効果的な学習と、スキル向上を実感することができるようになります。

初心者の方はまず基礎を構築し、その上でVERSANTに挑戦することで、英語力の向上とスコアの伸びをより実感しやすくなります。

TOEIC L&Rスコアが最優先される企業・業界を目指す方 

日本の企業では依然として、TOEIC L&R スコアが昇進や配属の主要な判断基準となっていることが多いのが実情です。

ご自身のキャリアパスにおいてTOEIC L&Rのスコアが必須である場合は、まずはそちらの対策を優先することをおすすめします。

大学受験や留学など、アカデミックな英語力を証明したい方 

海外の大学や大学院への留学を目指す場合、入学要件として一般的に求められるのはTOEFL iBT、IELTS Academic、Duolingo English Testなどの英語試験です。

VERSANTはビジネスシーンでのコミュニケーション能力を測るテストのため、海外留学を目的とした英語力証明としては適していません。

VERSANTは、海外の大学や大学院の入学要件として認められていないので、認定されているテストに集中することをおすすめします。

【徹底比較】TOEIC、IELTS、英検など…どの試験を選ぶべき?

「自分にはVERSANT以外の試験が合っているかもしれない」と感じた方のために、スピーキングを含む主要な英語試験との比較を、以下の表にまとめました。

それぞれの試験の目的、測定スキル、形式を理解し、あなたの目的に最も合っている試験を選びましょう。

試験名主な目的測定スキルテスト形式こんな人におすすめ
VERSANTビジネスにおける実践的なスピーキング能力の測定スピーキングリスニング話法能力AIとの対話形式(スマートフォンまたはPC)・スピーキング力を客観的に証明したい 
・海外赴任や外資系転職を目指す
VERSANT(Placement)日常的に使用される英語の対応能力を測定リスニングリーディングライティングスピーキングオンライン受験・英語の4技能をオンラインで測定したい方
・日常的に使用される英語の対応能力を測定したい方 
TOEFL海外大学・大学院で必要な英語力の証明リスニングリーディングライティングスピーキング試験会場でのPC受験・海外の大学・大学院への留学を目指す

・アカデミックな英語を正確に使えるようにしたい

・海外大学での授業に対応できる力を身につけたい
IELTS海外大学・大学院・海外移住で必要な英語力の証明リスニングリーディングライティングスピーキング試験会場でのPC受験+試験官との面接形式・海外の大学・大学院への留学を目指す

・アカデミックな英語を正確に使えるようにしたい

・海外大学での授業に対応できる力を身につけたい
Duolingo English Test(DET)海外大学・大学院出願や英語力証明リスニングリーディングライティングスピーキングオンライン受験・海外の大学・大学院への留学を目指す

・自宅で手軽に受験したい

・低コストでスコアを取得したい
英検国内での進学(一部海外大学)、就職、英語力証明1次試験リスニングリーディングライティン
2次試験スピーキング
筆記試験・試験官+面接形式・国内での進学や就職に活かしたい・段階的に英語力を測りたい
TOEIC S&W日常生活やビジネスにおけるスピーキング&ライティング能力スピーキングライティングPC受験・TOEIC L&Rスコアと合わせて総合力を示したい 
・日本の企業文化に馴染みやすい(L&Rより知名度が低いので注意)

最終的にどの試験を選ぶべきかは、あなたのキャリアプランや学習の目的によって変わってきます。

VERSANTは、特にグローバルなビジネス環境で活躍したいと考えている方にとって、自身の市場価値を高めるうえで有効な試験です。

本章を参考に、ご自身にとって最適な選択をしてください。

第3章:【スコア別】VERSANT完全攻略ロードマップ

VERSANT対策の最大の問題点は、「何をすればスコアが上がるのかが分かりにくい」という点にあります。

シャドーイングやオンライン英会話を続けているのにスコアが伸びない、そんな壁にぶつかる方も少なくありません。

本章では、その壁を乗り越えるために、スコア別の具体的な学習ロードマップをご紹介します。あなたの現在地(スコア)に応じて、取り組むべき課題と対策は大きく変わります。

【30点台からの脱出】基礎力養成ロードマップ(目標:40点突破)

30点台は、英語の基礎的なリスニング力や発音に課題がある状態です。

ネイティブのスピードについていけず、単語を聞き取れなかったり、正しく発音できないことが原因で、スコアが伸び悩むことが多い段階です。

  • 課題: リスニング力と発音の基礎が固まっていない。
  • 目標: ネイティブの短い文章を聞き取り、正確に真似て発音できるようになる。
  • 学習時間の目安: 約100時間(スコア30点台→40点台まで上げるための想定学習時間) ※3か月で達成する場合は、週8時間程度が目安

ロードマップ:ディクテーションと発音矯正に集中

この段階では、難しいフレーズを覚えたり、長く話す練習をしたりする必要はありません。まずは「正しく聞き取り、正しく発音する」という土台作りに集中しましょう。

1.ディクテーション(書き取り)の実践 (週4回, 30分/回)

目的: 

自分が聞き取れていない音を明確にし、リスニングの精度を上げる。

方法: 

1分程度の短い英語音声を聞き、1文ずつ再生を止めながら、聞こえた通りに書き取ります。答え合わせをした後、聞き取れなかった部分を何度も繰り返し聞き直し、音と文字が一致するまで確認します。

おすすめの練習ツールは、「TEDICT」です。

「TEDICT」は、TED Talksのスピーチを使って英語のディクテーション(書き取り&タイピング)を行う学習アプリです。

有料アプリではありますが、買い切り800円という手頃な価格で利用できるのが大きな魅力です。

スピーチを聞き取りながら空欄に単語や文章を入力していく形式で、スクリプトもあるので聞き取れない部分も効果的に学習できます。

2.発音評価機能付きアプリの活用 (毎日, 15分)

目的: 

日本人が苦手とする「L」と「R」の違いや、「th」の音などを体系的に学び、正しい発音の基礎を身につける。

方法: 

AIで発音評価ができるアプリを使い、個々の音の出し方から単語、短いフレーズへと練習を進めます。AIがリアルタイムでフィードバックをくれるため、効率的に発音を改善できます。

おすすめ教材:

3. 基礎文法と語彙の復習 (可能なら毎日, 30分/回)

目的: 

中学レベルの文法と頻出単語を確実に定着させる。

方法: 

中学英語の文法書を1冊選び、1章ずつ丁寧に復習します。

中学〜高校レベルの音声付きの単語帳で繰り返し学習します。

【40点台の壁を越える】脱・日常英会話レベルロードマップ(目標:50点突破)

40点台は、基本的な文法や語彙の知識はあるものの、日本語から英語への変換に時間がかかり、スムーズに言葉が出てこない状態です。

この段階では、知識を「使えるスキル」に変えるためのトレーニングが必要です。

現在の状態:

  • 文法や語彙の知識はあるが、実際に話そうとすると言葉に詰まる
  • 日本語で考えてから英語に訳すため、応答が遅い
  • 長く話すと、途中で文法的に間違った文章になる

課題: 

知識はあるが、瞬時に言葉が出てこない。

目標: 

日本語を介さず、英語で考えて英語で答えるスキルを身につける。

学習時間の目安: 

 約150時間(スコア40点台→50点台まで上げるための想定学習時間)

※3か月で達成する場合は、週12時間程度が目安

ロードマップ:シャドーイングと英語での独り言で「英語脳」を鍛える

この段階では、インプットよりもアウトプットの量を増やすことが重要です。

頭の中で英文を組み立てるのではなく、口が自然に動くレベルを目指します。

1. シャドーイングの実践 (週4回, 30分/回)

目的: 

ネイティブの話し方(リズム、イントネーション、スピード)を完全にコピーすることで、流暢さを向上させる。

方法: 

スクリプトを見ずに、英語音声の0.5秒後を追いかけるようにして発音します。

最初は意味が分からなくても構いません。

とにかく音に集中し、完全にシンクロできるまで同じ教材で繰り返し練習します。

慣れてきたら、スクリプトを確認し、意味を理解した上で再度シャドーイングを行います。

おすすめ教材:

「VERSANT Bridge」は、日本で初めてのVERSANT対策に特化した学習アプリです。

従来の講師による個別指導や参考書学習に頼らず、アプリを通じて効率的かつ実践的にスコアアップを目指すことができます。

VERSANTの問題を解きつつ、解説内の音声を使用しシャドーイングも行うことで、問題対策とスピーキング力向上を同時に行うことが可能です。

2.「英語で独り言」トレーニング (毎日, 15分)

目的: 

日常の思考を英語に切り替え、瞬発力を高める。

方法: 

「今から電車に乗る」「お腹がすいたな」「今日の会議は長かった」など、日常のあらゆる場面で心に浮かんだことを、瞬時に英語で口に出します。

完璧な文章でなくても構いません。とにかく英語で考え、英語で話す癖をつけることが目的です。通勤中や家事の合間など、日常生活の中で気軽に実践できます。

具体例:

  • 朝起きたとき:

「I need to get up now. I'm still sleepy.」

そろそろ起きなきゃ。まだ眠いな。

  • 通勤中:

「The train is so crowded today. I hope I can get a seat.」

今日の電車、すごく混んでる。座れるといいな。

  • 仕事中:

「This task is taking longer than I expected. I need to focus.」

この作業、思ってたより時間かかるな。集中しないと。

3. オンライン英会話の導入 (週1回, 25分)

目的: 

実際の会話で学んだ表現を積極的に使い、アウトプットの機会を増やす。

方法: 

まずは週1回、フリートークではなく教材を使ったレッスンから始めます。

レッスン前に予習を行い、使いたいフレーズを決めておくことで、より効果的に練習できます。

おすすめサービス:

【50点台からビジネスレベルへ】表現力強化ロードマップ(目標:60点突破)

VERSANT公式によると、59点以上を「ビジネスで十分に通用する上級者」と定義しています。

50点台は、日常会話レベルではコミュニケーションに困らないものの、ビジネスシーンで求められる複雑な内容や、自分の意見を論理的に表現することに課題がある状態です。

ぜひ60点を突破し、ビジネスで十分に通用する上級者を目指しましょう。

現在の状態:

  • 日常的な話題であれば、スムーズに会話できる
  • ビジネスの場面では、言いたいことを正確に表現できないことがある
  • 語彙や表現のバリエーションが限られている

課題: 

基本的な会話はできるが、複雑な内容を表現できない(語彙・構文の幅が狭い)。

目標: 

ビジネスの場で、自分の意見や専門分野について、論理的かつ説得力を持って話せるようになる。

学習時間の目安: 

約200時間以上(スコア50点台→60点台まで上げるための想定学習時間)

※6か月で達成する場合は、週8時間程度が目安

ロードマップ:オンライン英会話での実践と高度なインプット

このレベルでは、より実践的なコミュニケーションの機会を増やすことと、質の高いインプットを通じて表現の幅を広げることが不可欠です。

1. ビジネス特化型オンライン英会話の活用 (週2回, 25分/回)

目的: 

ビジネスの特定の場面(会議、交渉、プレゼンなど)を想定したロールプレイングを通じて、実践的な対応力を磨く。

方法: 

自分の職種や目的に合ったカリキュラムを持つオンライン英会話を選び、予習・復習を十分に行ったうえでレッスンに参加します。

レッスン中は、ただ会話を楽しむだけでなく、新しい語彙やフレーズを積極的に使うことを意識します。

さらに、講師からのフィードバックを記録し、次回のレッスンで改善点を意識します。

おすすめサービス:

  • VERSANT Bridge(パート別問題と模擬試験で実践力をつける)

2. 質の高い英文記事のインプットと要約 (週2回, 45分/回)

目的: 

高度な語彙や洗練された構文に触れ、自分の意見を論理的に構成する能力を養う。

方法: 

The EconomistHarvard Business Reviewといった質の高い英字メディアの記事を読み、その内容を3〜5文程度の英語で要約して話す練習をします。

これにより、インプットした知識をアウトプットに繋げる訓練ができます。

また、記事中で使われている知らなかった単語やフレーズをノートにまとめ、VERSANT Bridgeの模擬試験やオンライン英会話で積極的に使うようにします。

3. PREP法を使った意見を述べる練習 (週2回, 30分/回)

目的: 

論理的に意見を述べる型を身につける。

方法: 

PREP法とは、Point(主張)→ Reason(理由)→ Example(具体例)→ Point(結論)の順番で話を組み立てる方法です。この流れに沿って話すと、短時間で整理された回答を作ることができます。

様々なトピックについて自分の意見を1分間で述べる練習をします。

PREP法の具体的な流れ

  1. 主張(Point)
    最初に、自分の意見を明確に述べます。
    例:「私は〜だと思います」
  2. 理由(Reason)
    次に、理由を2つほど提示します。
    例:「その理由は2つあります。1つは〜、もう1つは〜です」
  3. 具体例(Example)
    理由を補強するために、身近な経験や具体例を挙げます。
    例:「例えば、私が〜したときに〜でした」
  4. 結論(Point)
    自分の主張をもう一度述べて、結論づけます。
    例:「だから私は〜だと思います」

VERSANTのスコアについては下記の記事で詳しく解説していますのであわせてご覧ください。

第4章:スコアをキャリアに活かす!ビジネスシーンでの実践法

VERSANTスコアをキャリアに活かしたいという方に、キャリアアップやビジネスの成果にどう繋げるかを紹介します。

スコアはあくまで数値でしかないので、その証明書をいかにしてキャリアアップやビジネスの成果に繋げるかが、最も重要なポイントです。

本章では、VERSANTスコアを単なる数字で終わらせず、あなたの市場価値を最大化し、ビジネスの現場で「使える武器」に変えるための方法を具体的に解説します。

履歴書・職務経歴書での最強のアピール方法

多くの人が「ビジネスレベルの英語力」と曖昧に書く中、VERSANTスコアはあなたの英語力を客観的かつ具体的に証明する強力な武器となります。

■アピール力の比較

凡庸な書き方優れた書き方
語学:英語(ビジネスレベル)VERSANT by Pearson English Speaking and Listening Test:62点(CEFR B2レベル)
・実務において以下のような英語コミュニケーションが可能。
・企業やクライアントに電話をかけ、要件や目的を明確に伝えることができる。
・製品やサービスの内容について、簡潔で効果的な文章を作成できる。
・業務に関する詳細(納期、仕様、要件など)について英語で議論・調整できる。
・不満やクレームを持つ顧客・従業員に対して、丁寧かつ適切に対応することができる。

ポイント:

  1. スコアを明記する: 

「VERSANT by Pearson English Speaking and Listening Test : 62点」のように、テスト名とスコアを正確に記載します。

これにより、採用担当者はあなたの英語力を具体的な数値で把握できます。

※スコアが低すぎると逆効果になるので注意が必要です。

  1. CEFRレベルを併記する:

 (CEFR B2レベル)のように、国際標準のレベルを示すことで、採用担当者があなたの英語力を理解しやすくなります。

CEFRは世界中で認知されている指標であり、特に外資系企業やグローバル企業では、説得力のある表記となります。

  1. 具体的な業務内容と紐付ける: 

スコアが「具体的に何ができるのか」を示すことで、採用担当者はあなたが入社後に活躍する姿をイメージしやすくなります。

下記の「スコア別・実践できる業務内容の目安」を参考に、ご自身の経験と結びつけて記載しましょう。

単に「英語ができます」と述べるのではなく、「このスコアで、このような業務を遂行できます」と具体的に示すことで、あなたの市場価値は高まります。

【スコア別】実践できる業務内容とキャリアパス

VERSANTのスコアは、あなたがビジネスの現場でどのような役割を担えるかを示す信頼性の高い指標です。

ご自身のスコアが、どのような業務レベルに対応するのかを把握し、キャリアプランニングに役立てましょう。下記に、ビジネスシーン別のスコアと「できること」の目安を詳しくまとめました。

電話・メールでの交渉

スコアCEFRできること
53B1+企業やクライアントに電話をかけ、かけている理由を説明できる。
45B1折り返しの電話で、誰がどのような理由でかけているのか説明できる。
42A2+電話でアポイントメントを取ることができる。
42A2+仕事に関する情報の提供を依頼する簡単な電子メールを書くことができる。
35A2簡単なやり方で、電話でくり返しや説明を求めることができる。

営業シーン

スコアCEFRできること
56B1+製品やサービスの内容について、短く簡単なマーケティング文章を書くことができる。
47B1簡単なビジネス取引において、基礎的な語句を使用して価格の変更を交渉できる。
41A2+日付、時刻、場所など、アポイントメントの詳細を復唱し、理解を確認できる。
37A2+基礎的な定型表現を使用して、あるものが何のために使用されるのかを説明できる。
38A2感謝や謝罪を伝える非常に個人的な電子メールを書くことができる。
34A2対面式の調査で簡単な質問をすることができる。

会議シーン

スコアCEFRできること
80C1長く詳細でプロフェッショナルな議論や会議に、自信をもって参加できる。
73B2+会議の詳細な議事録を書くことができる。
74B2+テレビ会議において、適切な言い回しを使用して参加者を管理できる。
72B2+企業または組織が提供する製品やサービスについての会議を主導できる。
66B2+ミーティングにおいて特定された決定や行動の項目について要約を書くことができる。
59B2仕事に関する業務(期日、仕様など)の詳細について議論できる。
52B1+相手が述べたことを復唱して理解を確認し、議論の筋道を維持できる。
50B1仕事関連の会議の目的と要点を簡単なやり方で書き上げることができる。
43B1定型表現を使用して、将来の計画や意図を説明できる。
33A2簡単な語句(first, second, thirdなど)を使用して、物事を順序立てて話すことができる。

同僚・従業員とのコミュニケーション

スコアCEFRできること
63B2同僚やクライアントに悪い知らせを伝えるとき、声の調子を変えて同情を示すことができる。
62B2不満を持つ従業員や顧客からの苦情に丁寧に答えることができる。
49B1+フォーマルでない語句を使用して、仕事に関するイベントや会合に同僚を招待できる。
44B1自分の仕事の役割について目的や目標を設定するための簡単なフォームに記入できる。
40A2+従業員に対し、自分の仕事で好きなことや嫌いなことを尋ねることができる。
39A2+簡単な語句を使用して、基礎的な助言を与えることができる。
31A2簡単な謝罪を行ったり、それを受け入れたりできる。

キャリアパスの考え方

上の表を参考に、ご自身のスコアと目指すキャリアを照らし合わせてみましょう。

  • 30点台 (A2): まずは基本的なコミュニケーション(挨拶、簡単な自己紹介、アポイントの確認など)をミスなくこなすことが目標。海外との接点が少ない部署で、英語の基礎体力をつける時期。
  • 40点台 (A2+〜B1):定型的な業務(メールでの情報提供依頼、アポイント調整など)を1人でこなせるレベル。海外プロジェクトのサポートメンバーとして、実践経験を積む段階。
  • 50点台 (B1+〜B2):自分の担当業務について、会議で報告したり、簡単な交渉を行ったりできるレベル。海外営業や外資系企業の担当者として、自律的に業務を遂行できる。
  • 60点台 (B2〜B2+):チームをリードし、会議を主導したり、部下のマネジメントを行ったりできるレベル。海外法人のマネージャーや、グローバルチームのリーダーを目指せる。
  • 70点以上 (B2+〜C1):ネイティブと対等に複雑な議論や戦略的な交渉ができるレベル。海外法人の役員や、グローバル企業の経営幹部といったキャリアパスが開けてくる。

第5章:【全パート別】詳細な攻略法と裏ワザ

VERSANTは、6つの異なるパートで構成されており、それぞれで求められる能力や対策が異なります。

まずはスコア別のロードマップで全体的な学習の方向性を掴み、そのうえで各パート別の攻略法でスコアアップを目指していきましょう。

ここでは、各パートの概要、多くの受験者がつまずくポイント、そしてスコアを最大化するための具体的な対策と、ライバルに差をつける「裏ワザ」まで、分かりやすく丁寧に解説します。

パートA(質問):5W1Hを意識した即時応答トレーニング

パートAでは、短い英語の音声を聞いて、それに対して1語または数語で答える問題が出題されます。

パート概要:

  • 出題数:8問
  • 回答時間:各設問につき15秒以内
  • 出題形式:短い英語の問題音声を聞いて、1語または数語で話して回答する
  • 音声再生可能回数:1回のみ
  • 評価スキル:リスニング力

パートAの問題例などは以下の記事で解説しているのであわせてご覧ください。

つまずきポイント攻略法裏ワザ
設問の意味が瞬時に理解できない質問の最初の1語(5W1H)に集中する。
 "Who" なら人、"Where" なら場所、"When" なら時を答える、というように、質問の核となる部分を聞き取ることで回答しやすくなる。
設問のパターンを予測する。 
パートAの設問は、・「A or B?」という選択問題・「What is X made of?」など、いくつかのパターンに分類できる。類似問題を解いてパターンに慣れておくと本番で慌てずに回答できる。
答えがすぐに思いつかない考えすぎず、シンプルに答える。このパートでは、深い思考は不要。「Is a car bigger than a mouse?」と聞かれたら、「A car」と即答する。
複雑に考えず、最も単純な答えを返す練習をする。
どうしても答えが思い浮かばない場合、質問の一部を繰り返すだけでもいい。
例えば「Which is larger, a city or a village?」と聞かれてどちらか詰まったら、「A city」か「A village」どちらかだけでも回答するようにする。

パートB(復唱):短期記憶を最大限に活用するテクニック

パートBでは、流れる英語音声をそのまま復唱する問題が出題されます。聞こえた通りの語順と発音で、正確に再現できるかがポイントです。

パート概要:

  • 問題数:16問
  • 流れる音声の長さ:5〜15語程度
  • 音声再生:各問題1回のみ
  • 回答時間:1問あたり15秒
  • 評価スキル:リスニング力、スピーキング力、話法能力(特に非言語的要素)

パートBの問題例などは以下の記事で解説しているのであわせてご覧ください。

つまずきポイント攻略法裏ワザ
文章が長くなると覚えられない最初の3語と最後の3語に集中する。 人間の記憶は、最初と最後の情報に強く残る傾向がある。
すべてを完璧に覚えようとせず、まずは文の最初と最後を確実に捉えることに集中する。
情景を映像化する。 文章を単なる「音」としてではなく、「映像」として描くこと。
例えば "The woman is putting a letter in the mailbox." という文なら、女性が手紙をポストに入れる光景を頭に思い浮かべる。これにより、単語の並びとして覚えるよりも記憶に残りやすくなる。
聞き取れても、すぐに忘れてしまう意味を理解しようとしないのも1つ。 復唱では、意味を理解することは不要。聞こえてきた音を、オウム返しのように、そのまま口から出す「音のコピー」に集中する。リズムとメロディーを真似る。 文章を「意味」ではなく「歌」のように捉え、そのリズムやイントネーションの抑揚をコピーすることに集中する。これにより、個々の単語を意識しなくても、文全体を再現しやすくなる。
途中で詰まってしまう完璧を目指す必要はない。 一部を忘れても、覚えている部分だけでも発言する。無言になるのが最もスコアを下げる原因。文の途中で詰まったら、「the」「a」「in」「on」といった短い機能語をゆっくり発音することで、次の単語を思い出すための時間を自然に確保できる。

パートC(会話に関する質問):会話の要点を掴むピンポイントリスニング

パートCは、2人の短い会話音声を聞き取り、その内容に関する設問に1語または数語で答える問題です。

パート概要:

  • 問題数:全6問
  • 音声再生(会話+設問):各問題1回のみ
  • 回答時間:15秒/問
  • 評価スキル:リスニング力

パートCの問題例などは以下の記事で解説しているのであわせてご覧ください。

つまずきポイント攻略法裏ワザ
会話の文脈や設問が聞き取れない設問の5W1Hに集中する。 
会話の全てを完璧に聞き取ろうとせず、最後の設問で何が問われるか(Who, What, Where, When, Why, How)を意識しながら聞くことが大切。
設問の意図さえつかめれば、会話のどの部分に答えがあったかを逆算しやすくなる。
会話の主語と動詞だけを追う。 
細かい修飾語句は聞き取れなくても、誰が何をしたかという“会話の骨組み”を把握できれば、多くの問題に十分対応できる。
リスニング中は、頭の中で「S+V, S+V...」と文の構造を意識する訓練が効果的。
答えとなるキーワードを特定できない固有名詞、数字、場所、時間に特に注意を払う。 パートCの答えは、会話中に出てきた具体的なキーワードであることがほとんど。
人名、会社名、時間、曜日、金額などの固有名詞や数字が聞こえたら、特に強く記憶するように意識する。
消去法で考える。 
設問が「What technology are they discussing?」だった場合、会話に出てきた他の単語(article, years, excitingなど)は答えになり得ないと判断する。
設問の意図に合わない単語を除外していくことで、正解のキーワードをより絞りこむことができる。

パートD(文章に関する質問):長文リスニングと要点把握

パートDは、1人の英語音声を聞いたあとに、その内容に関する3つの設問に答える問題です。

パート概要:

  • 問題数:合計6問(英語音声が2つあり、それぞれ3問ずつ出題)
  • 音声再生:各1回(最初の音声と設問音声)
  • 回答時間:各問15秒以内
  • 回答方法:数語または短い英文で回答
  • 評価スキル:リスニング力

パートDの問題例などは以下の記事で解説しているのであわせてご覧ください。

つまずきポイント攻略法裏ワザ
ストーリーの全体像が掴めない物語の時系列と因果関係を意識して聞くことが大切。
「いつ、誰が、何をしたか」「なぜそうなったか」「その後どうなったのか」というストーリーの流れを追いながら聞くことで、記憶に残りやすくなる。
まずは、ストーリー全体の流れ(起承転結)をざっくりとイメージすることが重要。
登場人物・出来事の順序・結末など、主要なエピソードを頭の中で整理しておくと、設問の理解がスムーズになる。
そのうえで、情景を映像として思い浮かべることで、内容をより鮮明に記憶することができる。
このように、「全体の流れをつかむ → 各シーンを映像化する」という二段階で理解すると、パートDの質問にも自然に答えやすくなる。
設問に即座に答えられない5W1Hをメモするつもりで聞く。 
メモは取れないが、物語のキーとなる5W1H(Who, What, When, Where, Why, How)を頭の中で整理しながら聞くことで、設問で何が問われても対応しやすくなる。
設問の主語と動詞から答えを推測する。 
「Why did Emily run...?」という設問なら、「エミリーが走った理由」をストーリーの中から探せば良い、とすぐに判断できる。
設問の構造をヒントに、ストーリーのどこに答えがあったのかを素早く探し当てる力が重要。

パートE(話の要約・言い換え):30秒で要約するフレームワーク

パートEは、ストーリーを聞いた後に、「自分の言葉で内容を言い直す」問題です。

Versantの6つの問題の中で”最も難しい問題”とされています。

パート概要:

  • 問題数:全2問
  • 音声再生:1回のみ
  • 回答時間:各問30秒以内
  • 評価対象スキル:リスニング・スピーキング・話法能力(言葉の使い方、話の内容)

パートEの問題例などは以下の記事で解説しているのであわせてご覧ください。

つまずきポイント攻略法裏ワザ
何を話せばいいかわからなくなる5W1H(誰が、何を、いつ、どこで、なぜ、どうした)を意識して聞く。 
音声の内容すべてを記憶しようとせず、物語の骨子となる主要な情報だけをメモするつもりで聞く。
最初は「The story is about...」で、話し始めると回答しやすくなる。
完璧な要約をしようと黙り込むのは避ける。
まずは「この物語は〜についての話です」と話し始めることで、思考を整理する時間を稼ぎつつ、流暢さのスコアが下がるのを防ぐ。
時間内に話し終えられない「起承転結」ではなく「起結」でまとめる。 
物語の導入(登場人物と状況)と、最終的な結末(何が起こったか)の2点に絞って話すだけでも、要約として十分成立する。
キーワードを3つだけ拾う。 物語を聞きながら、最も重要だと思うキーワード(人名、場所、出来事など)を3つだけ頭に残す。
要約では、その3つのキーワードを繋ぎ合わせるように話せば、ポイントを外さずに時間内にまとめることができる。
細かい部分を忘れてしまう大まかな流れだけを掴む。 細かい数字や固有名詞は慣れるうちは忘れても問題ない。「誰が、何をして、どうなったか」という大筋だけを掴むことに集中する。過去形で統一する。 ストーリーは基本的に過去の出来事なので、すべて過去形で話すことで、時制のミスを減らすことができる。

パートF(自由回答):高得点を狙える論理的な意見の述べ方

パートFは、設問に対して自分の意見や考えを述べる問題です。

VERSANTの中で最も自由度が高く、英語力を総合的に試されるパートです。

パート概要:

  • 問題数:2問
  • 音声再生:1回のみ
  • 回答時間:1問あたり40秒以内
  • 評価スキル:スピーキング・話法、内容構成力(言葉の使い方、話の内容)

パートFの問題例などは以下の記事で解説しているのであわせてご覧ください。

つまずきポイント攻略法裏ワザ
意見がまとまらず、何を話していいかわからないPREP法(Point → Reason → Example → Point)の型を使う。 このフレームワークに沿うことで、誰でも簡単に論理的な構成で話すことができる。意見はどちらでも良い。 このパートで評価されるのは、意見の内容ではなく、英語を論理的に話せるかどうか。本心にこだわらず、理由や具体例をより説明しやすい方の立場で話す。
例えば「犬と猫どちらが好きか」と聞かれたら、瞬時に具体例を思いついた方を選択する。
40秒間も話が続かない具体例を詳しく描写する。
理由を述べた後、「For example...」や「For instance...」を使って、個人的な経験や場面を説明することで、簡単に話を膨らませることができる。
どちらが好きかなど選択して答える問題では、最初は「If I had to choose...」で話し始めると決めておくとスムーズに回答しやすい。 意見を言う前に「もしどちらかを選ばなければならないとしたら…」という、この一言を添えることで少し考える時間が確保でき、スムーズに話し始めることができる。
反対意見に軽く触れるとさらに高評価となり、「確かに〜という意見もあるが、私は〜と考える」という形で述べると、論理的で洗練された印象になる。
語彙が少なく、同じ表現ばかり使ってしまう言い換え表現を準備しておく。 「I think」の代わりに「I believe」「In my opinion」「From my perspective」など、複数の言い回しを用意しておく。接続詞を効果的に使う。 「However」「Moreover」「Therefore」「In addition」といった接続詞は、話の構成を整え、文章全体をより分かりやすくする。

第6章:VERSANTに関するよくある質問(FAQ)

最後に、VERSANTに関して多くの学習者が抱く疑問について、Q&A形式で分かりやすくお答えします。ここで疑問点をすべて解消し、対策をスタートさせましょう。

VERSANTのスコアに有効期限はありますか?

VERSANTのスコアに、公式な有効期限はありません。

ただし企業へ提出する場合、多くは「取得から2年以内のスコア」を求められます。

これは、語学力は時間とともに変化する可能性があるため、企業側が「現在の英語力」を知りたいと考えるからです。

定期的に受験することで、常に最新のスコアを保持し、ご自身の英語力の推移を客観的に把握しておくことをおすすめします。

特に、転職活動や海外赴任の選考を控えている場合は、選考の半年前〜3ヶ月前には受験しておくと安心です。

どれくらいの頻度で受験するのがおすすめですか?

学習の進捗を測るために、3ヶ月〜6ヶ月に1回の受験をおすすめします。

VERSANTは一夜漬けでスコアが急激に伸びるテストではありません。そのため、1ヶ月などの短い間隔で受験しても、成果を実感しにくい場合があります。

一方で、受験する期間が長すぎると学習のモチベーションが下がりやすく、具体的な目標を見失うデメリットもあります。

そこで、3〜6ヶ月に1度の受験ペースが最も現実的でおすすめです。

  • 3ヶ月:短期集中で取り組み、早めに成長を確認したい人向け
  • 6ヶ月:しっかりと基礎を固め、段階的にスコアアップを狙いたい人向け

VERSANTは「いつでも受験できる」テストだからこそ、あらかじめ次回受験日を設定し、学習計画を立てることで、モチベーションを維持しやすくなります。

また、受験料の面から見ても、3〜6ヶ月に1度というペースが無理なく続けやすいといえます。

スコアが急に下がりました。なぜでしょうか?

スコアが前回よりも下がってしまった場合、いくつかの原因が考えられます。

考えられる原因:

  1. 当日のコンディション: 

睡眠不足や疲労、緊張などがパフォーマンスに影響することがあります。体調管理は、テスト対策の一部と考えましょう。

  1. 受験環境: 

周囲の騒音や、マイクの音質、インターネット接続の不安定さなどが、スコアに影響を与える可能性があります。可能な限り静かで、通信環境の良い場所で受験しましょう。

  1. 問題との相性:

たまたま苦手なタイプの問題が多く出題された、という可能性も考えられます。

VERSANTのスコアは、±2〜3点ほどで常に振れ幅があるテストです。

1度の結果に一喜一憂せず、長期的な視点でスコアの推移を見ることが重要です。

もし大幅にスコアが下がった場合は、スコアレポートを詳細に分析し、どの項目が下がったのかを確認して、学習計画を見直しましょう。

VERSANT対策におすすめの教材はありますか?

対策アプリと市販テキストの組み合わせがおすすめです。

VERSANTはTOEICなどと比べて市販の教材が非常に少ないのが現状です。

その中でも、最も効果的な教材をご紹介します。

1. 対策アプリ「VERSANT Bridge」

  • 概要: クラクモ株式会社が提供するVERSANTに必要なスキルを測定・向上させるためのVERSANT対策専用アプリです。
  • メリット: テスト形式に慣れ、自分の弱点を客観的に把握できます。特に発音や会話力の向上に役立ちます。
  • 注意点: 英語初学者には難しく感じる可能性があります。英語初学者にはアプリとは別で基礎的な単語や文法学習も必要です。

2. 市販参考書「はじめて受ける VERSANT Speaking and Listening 全パート完全攻略」

  • 概要: 2025年11月現在、唯一市販されているVERSANT専門の対策本です。各パートの詳細な解説が掲載されています。
  • メリット: テスト全体の流れを掴み、各パートの攻略法を日本語で学ぶことができます。特に、高スコアを獲得するための「思考プロセス」や「解答の型」を学ぶうえでとても効果的です。
  • 注意点: 付属の音声はありますが、採点機能はありません。

公式問題集はありませんが、「VERSANT Bridge」アプリでスキルを鍛え、「はじめて受ける VERSANT Speaking and Listening 全パート完全攻略」で戦略を学ぶ、という組み合わせが最も効果的な対策法と言えるでしょう。

オンライン英会話はVERSANT対策に効果がありますか?

はい、使い方次第でとても効果的です。

オンライン英会話をVERSANT対策に活かすためには、ただフリートークを繰り返すだけではなく、以下の点を意識すると良いでしょう。

効果的な使い方:

  • 目的を明確にする: 

「今日はパートFの練習として、PREP法を使って意見を伝える」「パートEの練習として、短いニュースを読んで要約してみる」など、レッスンごとに目的を設定します。

  • 講師に協力を依頼する: 

「VERSANTの対策をしているので、発音や文法のミスを細かく指摘してほしい」「話が途切れたら、すぐに助け舟を出さずに少し待ってほしい」など、具体的に要望を伝えましょう。

  • ビジネス特化型のサービスを選ぶ: 

第3章で紹介したような、ビジネスシーンに特化したカリキュラムを持つオンライン英会話を選ぶと、より実践的な表現力を効率的に身につけることができます。

  • レッスンの録音・復習を徹底する: 

自分の発言を後から聞き返すことで、文法ミスや発音の癖に気づくことができます。

テスト中にメモを取ってもいいですか?

いいえ、メモを取ることは禁止されています。

VERSANTは、準備なしでどれだけ自然に、かつ瞬時に英語を話せるかを測定するテストです。

メモを取る行為は、この「瞬発力」を測るというテストの趣旨に反するため、不正行為と見なされる可能性があります。

特にパートEではメモを取りたくなりますが、ぐっとこらえ、頭の中だけで情報を整理する練習をしましょう。

対策としては、第4章で紹介した「映像化」や「キーワードを3つだけ拾う」といったテクニックを活用し、短期記憶を最大限に活用する練習を重ねることが重要です。

VERSANTのテストは「 Speaking & Listening」以外にもありますか?

はい、あります。

VERSANTには、3つのテストが用意されています。

スピーキングとリスニングを測定するテスト。

ライティングを測定するテスト。

スピーキング、ライティング、リーディング、リスニングの4技能を総合的に測定するテスト。

VERSANTの個人受験はどこで買えますか?

個人受験をご希望の方は、下記の販売代理店からお申し込みください。

  • 株式会社ドリームブロッサム
  • 株式会社キャリタス

参考:VERSANT公式|個人受験のご案内

まとめ:VERSANTはあなたのキャリアを加速させる強力な武器

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

VERSANTは、正しく理解し、戦略的に活用すれば、あなたのキャリアを加速させる強力な武器になります。

本記事では、以下の内容を網羅的に解説しました。

  • 第1章: 「意味がない」と言われる5つの理由と、それに対する見方
  • 第2章: あなたがVERSANTを受けるべきか否かを判断する診断チャート
  • 第3章: スコア別(30点台、40点台、50点台)の具体的な学習ロードマップ
  • 第4章: スコアをキャリアに活かすための実践的なアピール方法
  • 第5章:  全パート(A〜F)別の詳細な攻略法と裏ワザ
  • 第6章: よくある質問(FAQ)

この記事を読んだ方は、もう「VERSANTは意味がないのでは?」という不安に悩まされることはないはずです。

「VERSANTを受験する!」と決められた方は、今日からVERSANT対策をスタートさせて、ビジネスで通用する英語力を身につけられるよう頑張っていきましょう。

ERSANTのスコアアップを目指すなら専用アプリ「VERSANT Bridge」

VERSANT Bridge」は、日本で初めてのVERSANT対策に特化した学習アプリです。

従来の講師による個別指導や参考書学習に頼らず、アプリを通じて効率的かつ実践的にスコアアップを目指すことができます。
VERSANTのスコアアップを目指したい方は、ぜひご活用ください。